多少耳を引きちぎる話

ネットで拾った一言いいたいネタを吐き出すブログ

レディファーストは「する側」の素質か「受ける側」の価値か

2chtwitter、個人ブログ等、日本であればどれでもネットで頻繁に見かける「何故日本の女は白人女のようにスタイルが良くないのか」「何故日本の女は白人女のように美しくないのか」「何故日本の女は白人女のように賢くないのか」、これらの主張は一部のレベルの低い男性達によって割と支持されている側面があります。

 

※まず何よりも先だって言っておきたいことがあるのですが、アジア人男性の間で白人女性に需要はあっても、

白人女性の間でアジア人男性は需要がありません。

例えばロシアのシングルマザー、貧困層から(ほとんどのロシア人女性はアメリカか欧州を目指すので日本は需要無い)エージェントを通じて結婚したり、アメリカでの人種別婚姻数の調査でアジア系男性と白人女性のカップルは最も所得が高い傾向にあることからわかりますが、この場合需要があるのは男性ではなくお金です。

 

しかし万が一にもネットで「何故日本の男はレディファーストができないのか」「何故日本の男は共働き、同じ給料でも家事をやらないのか」「何故日本の男は白人男のようにかっこよくないのか」(ついでにノーベル賞の人種比で見ても白人男性の方が賢いということになる)などと言おうものならものの見事に「全部女のせい」で大炎上がオチ、あらゆるサイトで見かけたこの現象に失笑してしまったので是非とも記事に取り上げたいと思います。

  

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以下のサイトを参考としております(笑)

「レディファーストを勘違いしている女が嫌いだ」※というレディファーストを盛大に勘違いしている男性の記事

「レディファーストを当たり前だと思うな。日本で浸透しない理由」※というマンファーストを当たり前だと思っている男性の記事

 

なお記事内容はせいぜい2ch書き込みのコピペレベルでしたがSEO対策だけはバッチリで笑いました。

 

 

 

 

「レディでない女性にはレディファーストはしない」

 

今となっては負け犬の巣窟として世界でも有名になってしまっているかの悪名高い2chに書き込まれた迷言です。これらの男性は何を勘違いしているか知りませんが欧米人男性は若い女性から老婆まで、レディファーストをする相手を選り好みしません。

「欧米に行ったら当たり前にレディファーストを受けたので日本に戻ってくると日本人男性が見劣りする」と言っている女性は、現地で日本にいる時と同じように生活していただけなのにいきなりレディ扱いされて待遇が良くなったから「見劣りする」と感じているに過ぎません。ちなみに欧米在住の日本人男性数人のコメントを引用すると「女があまり女性らしい服を着ない」「主張が強すぎる」「座っている時男みたいに足を広げっ放し」「バスで女同士が殴り合いの喧嘩をしていた」等本場のレディたちに文句タラタラでした。

 

レディファーストは相手を選り好みして行うものではなく、欧米においては単純に文化でありマナーです。「女性に敬意を払う」と小さな頃から教えられているせいなのか、女性や子供に対する性犯罪者は投獄されると他の囚人にリンチされる傾向があります(看守もあえて干渉しません)。このリンチを恐れて投獄前に自殺する人もいるほどです。

勿論欧米の文化をわざわざアジアが真似る必要はありません。日本人女性だって嫌々やるような男性に恩着せがましいレディファーストなどされたくないでしょうし、それで日本人男性が欧米では「マナーすら持ち合わせてない連中」と陰で囁かれ恋愛対象にすらされなくても、本人達がそれを受け入れるならそれで良いのです。

 

ちなみに欧米にも過激派フェミニストにうんざりしたのでレディファーストはやらない、とコメントしている人をたまに見かけますが、彼らは「だから僕は自室のダブルベッドをいつまでも独り占めできるのさ」というユーモアを付け加えることを忘れません。あくまでマナーなのでマナーを守れない=欧米社会で受け入れられない自覚はちゃんとあります。

 

少なくともアメリカにおいて「レディファーストを受ける価値の無い女性」というのは「泥酔(または素面)状態で男は女を殴らないはずだとタカをくくり見ず知らずの男性を侮辱し殴る女性」のことです。レベルが高すぎて日本人女性には真似できないでしょう。ここまでやられても「レディだから」と我慢する男性が存在することを考えると、欧米人男性の器の大きさには感服します。これが英語圏ではにオーストラリア、イギリスの順で男性の忍耐度はもっと上がっていきます。敬服です。アジア人女性がモテる理由も理不尽に攻撃的なタイプがおらず比較的穏やかな女性が多いからです。実際人種混合移民国家においてアジア人の犯罪率は有意に低く、アジア系同士の離婚率もダントツに低いです。西洋文化では男性は基本的に男性らしさを求められるのでアジアの女性的な性質は男性の場合好まれませんが。

 

それとこれはあまり知られていないかもしれませんが、欧米、南米だけでなくシンガポールインドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、モンゴル、韓国、中国などアジアの多くの国もレディファースト文化です。例えばフィリピンの公共機関のシートは女性優先ですが、勿論女性にとっては当たり前なのでお礼の一言も言いません。ただ男性側は女性に親切にできる自分に誇りを感じるようです。お礼を期待する、見返り前提でする親切行為は親切とは言わないことをよくわかっていますね。アジアやアフリカの後進国ですらバスや電車では子供、老人、女性に席を譲ります。日本に滞在しているアジア系の外国人男性もほとんどはレディファーストなのでバスやエレベーターで女性が先に入るのをじっと待っていることがあります。グローバル化に伴い外国人流入が増えています、女性の皆様は周囲に外国人がいないかよく確認してください。さもなくば彼らは女性が先に入ってくれるまでオロオロしながら永遠に入口で立ち尽くしています。(ちなみに海外では女性は黙って先に突っ込んでいきます)

実際は「ジェントルマンのいない国なのにマンファーストをする」が日本のスタンダードです。西洋・その他の国の男性は相手の国籍年齢問わずレディファーストに徹するのに対し、日本の場合「相手が西洋人女性の場合は(嫌われないために)レディファーストする」「女性蔑視は発展途上国並みだが男性の権利だけは男女平等先進国並みに主張する(例:給与格差が大きいのに「日本は男女平等だ」と割り勘を主張)」等一貫性の無い男性が目立ちます。男女給与格差でトップランク入りしている国の中で(※日本は2位)、日本以外は全部交際費は男性持ちです。そもそもこんな器の小さい連中恋愛対象に入らないのでデート代なんてどうでもいいんですけどね。問題は金を払うか払わないか以前に常に自分の都合だけを考え日和見主義なメンタル面です。

 

 

 

「日本の女は結婚すると女をやめる」

 

そもそも最初からほとんどの欧米社会で男として認識されてない日本人男性にだけは言われたくないでしょう…(詳しくはjapanese men feminine で検索)そんなことよりも共働きで子供が生まれてもロクに家事も育児も自主的にやらず家庭は他人事の男ばかりであることの方が大問題です。実際これが原因で妻は夫の自己中心的さと甘え、段取りの悪さに辟易して愛想を尽かしていきます。

自分より下の国ばかり見てないでたまには他の先進国の男性を見習ったらどうなのでしょうか。家事もやってくれれば食事は当然自分で用意するし子供の相手もする、妻にお礼も言えばプレゼントも買います。この自立度と思いやりの違いは一体どこから来るのか。「仕事が忙しいから」ではなく「家族といる時間が大事」とはっきり主張できる男性が少ないからこそ今のダラダラと効率悪く時間ばかり引き延ばす日本の労働環境なのです。日本に働きに来ている欧州・アジア系労働者は「日本の職場は合理性に欠け時間を無駄に使う」と口を揃えます。人工知能に仕事の大半が奪われる時代がもう目前に迫っているのに、今のアホみたいなやり方のままでいいと思ってるのでしょうか?

日本の母親たちも「全部母である自分がやらないと」と思い込むのをやめて子供にもっと家事を手伝わせるべきです。基本的に子供は母親が大好きですし役に立ちたいと思っています。もう大人になってしまった夫は手遅れですから子供だけでも最低限他国と比較して恥ずかしくない程度に身の回りの世話を自分でできる大人に育ててください。友達と愚痴を言い合ってないで社会に向かって声を上げてください。愚痴だけでは何も解決しません。

 

さて、では海外の様子を見てみましょう。結婚後の女性は大まかに2種類に分かれると思います。

 

・家事、育児、仕事の両立に追われ化粧はあまりしなくなり体型も崩れていきます(これは男性も同様です)。ちなみにレディファーストの話題になると「ドイツでは男女デートでも割り勘」と都合のいいことだけ主張する日本人男性をネットで見かけますが、ドイツの女性はあまり化粧しません、スカートなど女性らしい服装は少数派です、そして妻が無職でも夫の分まで家事をやらなければならないという概念はありません。全てが割り勘です。家事といっても料理はかなり簡素化されており、朝はシリアル、夜はパンにソーセージ、昼食はどこの国でも男女関係無く自分で作るか自分で買いに行きます。なお高級レストランではカップルの場合どの国でも男性が会計を支払います。この習慣は男女の賃金が完全に平等になるまで続くでしょうね。

 

・結婚後も女であり続けたいという女性は当然います。イギリスでは新しい男と暮らし始めて前夫の間の子供を捨て離婚に至るケースが絶えません。家庭と女のどちらを選ぶかはあくまで個人の考え方であって世間が決めるべきことではないと捉えられているようです。そういう女性は40~50代になっても職場にミニスカートを穿いてきますが、同僚の男性達も「今日も素敵ですね」一声かけるジェントルマンぶりです(あちらの男性はフェミニンな服装の女性に対し何かしら褒めるのがマナーです)。またフランスでは夫が妻に女性らしくあってほしいと思う場合、美容費を渡したりベビーシッターを雇い「母ではなく女である日」を男性側から提供します。

 

「レディファーストは女性蔑視から始まった文化」

 

元々は女性を盾にしたり毒見させたりするためにレディファーストが広がった、何故か日本語でググるとこのどこのオカルト雑誌から引っ張り出してきたのかもわからない都市伝説が蔓延しています。

当時の貴族は勿論貴族同士の政略結婚が主流で、相手貴族の令嬢を毒見でもさせて死なせたとなれば貴族間の結託も交流も台無し、だいたいわざわざ高貴な身分の女性にさせなくても人身売買で家来や奴隷はいくらでも買えた時代です。少し考えれば何の信憑性も無いことがわかるはずですが、意外と歴史も常識もわからない頭悪い人多いんですね。

 

 

「欧米人女性はきちんとお礼を言うからレディファーストが浸透している」

 

レディファースト文化のある国ならレディファーストは受けて当然、という女王様タイプの方が主流です。お礼を一切言わなくても非難されないどころかやらない男の方が非難の対象にされます。他人ならまだしもカップルで歩いてる時に女性のためにドアを開けるなど当たり前で、食事を奢ってもお礼を言わない女性はザラにいます。

たまに海外在住の日本人男性で「欧米の女性はドアを開けたらありがとうとはっきり言ってくれる」と主張している人がいますが、後ろの人のためにドアを開けるのはレディファーストではなく公共マナーです、相手が男性でもドアに先に辿り着いたのが自分であれば開けて待ちます。会計時に店員にありがとうと伝えるのと同じです。逆に海外に何年も在住して何故公共マナーとレディファーストの区別がつかないのか不思議でなりません、よっぽど女性と縁が薄いのでしょうか?レディファーストの場合は女性が先に歩き、男性が後ろからサッとドアを押します。

 

また、アメリカ人男性は道でほんのすれ違っただけの女性やただの知り合い程度の女性に対しても、その人がある程度化粧していてそれなりの身なりをしていれば「きれいな方ですね、よい一日を」と軽く挨拶のように声をかけることがあります。相手が特別綺麗な女性でなくてもです。ある日本人女性が自身が経験したこの習慣についてSNSに投稿したところ、日本人男性の反応「だって日本人女性はそういう事言ったらどうせ下心あると思うんでしょ?」「ありがとうって言ってくれるならするけど、日本人女性は言わないよね」アメリカ人女性ですらありがとうと言うわけではありません。というよりあまりにも多くの男性が声をかけるのでいちいち返事しません。場合によっては鬱陶しがられたり見知らぬ男性に声をかけられることに恐怖を感じて無視する女性もいます。それでもやる男性がいるからレディファーストと言われるのです。ちなみにこの習慣はアメリカに限らず欧州にもあります。女性を褒めるのは下心ではなくマナーだからです。

私は知り合いの日本人の女性がちょっと髪型を変えたり、いつもよりおしゃれしていれば声をかけるようにしています。わざわざ「ありがとう」と言われなくても女性の照れくさそうな笑顔を見れただけで十分言った甲斐があるなぁと思います(それと彼女達は普通に「ありがとう」も言います)。日本でも女性を褒めるために一声かけれる男など他にいくらでもいるのですから、ああだこうだと理由をつけてやらない男はそもそも恋愛対象から外したほうがいいでしょう。そういう「デキない男」は家事も育児も仕事すらも理由をつけてサボります。

 

 

なお欧米人が日本に来て驚くことのひとつに「カップルで女性が男性のためにドアを開けている光景が多くみられる」があります。これに対し一部の日本人男性が「武士は女を先に行かせることなどしないから」(笑)という寒い解釈をしていますが、女性にドアを開けて貰っている男性に尋ねればわかると思います。100%誰もそんなこと考えながらドアを通りません、単に女性の方が気遣いができるので開けてくれるだけです。そして日本人男性は日頃受けているマンファーストに対して一切お礼を言いません。

それと「男性が先に入ることで店員と接して席を確保するためだ」と主張している日本人男性も見かけました。ドアを開けて入った瞬間いきなり店員が飛んでくるという意味でしょうか?大抵全員が店に入って入口に並んでから店員が気付いてやってくるのです。「最初に店に入る」は「最初に対応する」ではありません。それよりもレディファースト以前にこうまでして屁理屈をこねてでも自画自賛する性質の方が気になります。

 

「お礼をきちんと言う」と言えば、ある女性留学生が行った面白い調査をご紹介します。

彼女がアメリカと日本の大学でそれぞれ男性のためにドアを開けてあげたところ、アメリカ人男性は全員が「ありがとう!どうしてそんなことまでしてくれるの!?」と言ったのに対し、日本人男性は誰一人としてお礼すら言わなかったそうです。もう突っ込む言葉すら出てきません。

 

 

 

 

ここまで書いておいてなんですが、個人的に日本がレディファースト文化になるべきとは考えていませんし日本人男性がレディファーストであろうがなかろうが心底どうでもいいことだと思います。日本人でもする人はしますし、しない人が気に入らないならレディファースト文化のある国の男性をパートナーに選べばいいだけでしょう。何故わざわざ素質の無い人間に能力を求めるのですか?