日本人「欧米をひとくくりにすべきではない」
欧米人達自身がアジアと比較する時"Western culture" "Westerner"（西洋）という表現を多用しているのですが何か問題でも？
「アジアとひとくくりにされるのが嫌だから欧米もひとくくりにすべきでない」なんて主張する方がいます。そもそも日本人が「アジア」とひとくくりにされて嫌がるのはアジアを見下しているからでしょう。その証拠に「日本人とドイツ人は似ている」「日本とイギリスは似ている」と言えばカニとエビくらいの違いがあるのにも関わらず喜ぶ連中が山ほどいるではありませんか。欧米と比較されると劣等感が刺激されて反発するが欧米と同一視されれば優越感に浸る人が大勢います。
おそらく日本自画自賛している連中と中身は同じ人達です。ちなみに特定のグループに価値を見出してそこに属することで優越感を感じたり、自分が属するグループを崇めることで自分ごと価値を高め虚勢を張ろうとするのは主に未熟な男性です。女性は所属するグループに権威や価値を見出しません（女の友情が薄いのもこれが原因です）。
ネットを見ていると「海外から日本に戻ったら男性の女性に対する協力姿勢が全く見られず本当に子育てが難しくなった」等欧米男性とメンタル面で比較された時に「卑弥呼や紫式部がどうの」とか「サムライや武士道がなんだの」「レディファーストは女を盾にしてるんだ」のようなコメントが大量に湧くあたりこの国の男はちょっとヤバいなと思うわけです。大昔の本当か嘘かもわからない話を持ち出して自己陶酔し現実から目を逸らす。ちなみに西洋の騎士道は長い実践の歴史と共に完成されましたが日本の武士道は平和な江戸時代に実践もなしに突如現れた実力の伴わない理想論です。騎士道書には「女性の盾になれ」とは書いてあっても「女性を盾にしろ」とは書かれていません。随分ひねくれた奴が誤訳したんですね。
「先進国」は時代によって地域が変わりますが現代ではそれが欧米であることは誰もが知るところでしょう。歴史を辿ると「劣っている」という認識から向上心が生まれ文化を吸収し発展させて「先進国」が移り変わっているのですが、今の日本は妙なプライドのせいで発展が難しそうですね。そんなに日本が大好きなら中学国語の古典文学に出てくる「驕れる者久しからず」の意味くらい覚えているのでは？
欧州は陸続きで言語の異なる小さな国が密集した地域であり、古来から国家間の行き来は個人レベルで活発で知識や技術を共有し発展させてきた歴史があります。同じ語族なので修得しやすくて当たり前ですが、周辺国（ＥＵ圏内）の言語や英語の修得レベルは高いです。更に近年では移民の増加により欧米各国にとどまらず世界中の地域のニュースを取り上げて放送しています。日本よりもアジア全土を取り扱うニュースが多い程です。視点と視野の広さが違うために自分達自身を「西洋人（欧米人）」としてひとくくりにできる面があるのだと思います。
なんなら南米ですら同じ文化を共有している面があり「欧米」という範囲ではくくりきれない時もあります。「欧米をひとくくりにすべきではない」なら日本と比較する時にいちいちルーマニアからアイスランドまで国名を列挙して説明しろとでも言うつもりでしょうか、明らかに時間と労力の無駄でしょう。細かい比較なら同じアジア圏同士でやればいいのです。逆にアジアを全く見ていないからこそ自分達が認識している相違の「程度」が測れないのです。東洋と西洋で比較したら西洋諸国間の違いなど微々たるもの、それは東洋諸国間も同じです。
だいたい「欧米」でひとくくりが問題であるならば「中国」でひとくくりも十分問題になります。民族ごとの身体的特徴や思想、文化、気候風土は欧州に匹敵するほどの多様性があります。別の見方をすればそれだけ広い国土と民族を持ちながらあそこまで言語を統一できたのは東アジア人に全体主義の傾向が強いからです。日本から見れば中国人は個人主義ですが、西洋から見れば全体主義になります。これも「程度」の認識の違いです。
最近「知識や見聞をできるだけ多く集めて”なんかすごい人”になろう」という中二病ならぬ大二病とでも呼ぶべき単純思考の方をネットで見かけるようになったのですが、どれだけ知識集めたところで扱う人間に中身が無ければ全部意味ありません。
言語習得でも同じです。話す内容、つまり知識を自分で創り出せないなら何語が喋れたところで無意味です。英語圏行けば英語なんて誰でも喋れるんですから何の能力でもありません。
どこかで拾ってきた知識をコピーするだけなら人間は要りません、パソコン一台で十分です。
