子供が次々とおもちゃを欲しがる理由
とあるご家庭のお子さんが、おもちゃ売り場で楽しそうに色々なおもちゃを見つけては喜んでいたのですが親が「欲しい?」と聞くと全部「いらない」と答えていました。こんな言葉もまだほとんど話せないような子どもに自制心でもあるのかと一瞬驚いたのですが、親の教育の仕方が他の家庭とは少し違うことに気づいたのです。
そのご家庭では母親は不定期の在宅ワークで昼間は子供につきっきり、父親が返ってくると父親が面倒を見ている間に母親が料理をし、休日は父親も家事を手伝うなどよく連携して暮らしている中東系移民のアメリカ人夫婦でした。アメリカでは子供が一人で留守番したり親の監視の無い場所で遊ばせたりするのは犯罪なので、常に誰かがついている状態です。
日本でもおなじみですが最近の親は子供が遊んでいる間スマホばかり見ています。イギリスで子育てをしているある女性の話ですが「子供との会話よりSNSで友人とのやり取りを優先している親ばかり、子供と一緒にいるようで精神的にはそこにいないも同然」と問題視していました。子供が何度か親の注意を引こうと派手な動きをして転んだりしているのを見かけますが、親はスマホを注視して知らんぷりしていると見ているこっちが親を叱りたくなります。
ところがそのご家庭の夫婦は子供の一挙一動を本当にずっとよく見ており、家事や作業の途中でも子供が「一緒に遊んで」と言って来たら飛んでいきます。ここが子供が無暗におもちゃを欲しがらなくなるポイントだと思うのです。
子供は親に一緒に遊んでもらい、自分に注目され愛情を注がれることでどんなに高いおもちゃでも得られない満足感を得ることができます。
おもちゃを次々と欲しがる子はきっと遊んでいる間両親に野放しにされているのでしょう。大人になってもずっと物を得ることで満たされない心を満たそうとし続ける人間に成長するかもしれません。
おもちゃを全然欲しがらない子はきっと遊んでいる間両親も一緒になって楽しんでくれているのでしょう。大人になってもずっと子供の頃得た心の充足を知っているので、物が無くても満たされた人間に成長するかもしれません。
親がどれくらい子どもに注意を払っていたかで5年以内の子どもの知能に影響が出るという調査結果があります。よく関心を持って個性を尊重してもらえた子供は成績が良く情動面も安定しています。大人になってしまえば生まれつきの能力差が顕著に出るので親の関心はほとんど関係なくなりますが、これは自身の「良い自己イメージ」を育むには重要なことです。
日本の労働環境では確かに難しいかもしれません。今子供を産んで育てている若い世代では共働きが主流ですし、職場では残業が普通、男性の家事育児参加比率は先進国中最低ですし子育て支援が整っていないので女性に過剰負担がかかるのが普通です。
おそらく今会社を取り仕切っている世代が子育てや家事に参加したことがないからその苦労がわからないのでしょう。もう残業のために家庭の時間を潰す時代ではないのです。時代遅れの人間が淘汰されるのは時間の問題です、若い世代は職場でも家庭でも無能なおじさん達をどんどん潰して追い抜いていきましょう。今の若年世代は生まれた頃からパソコンがあり情報収集やマルチタスクに対応できますから世代交代にそう時間はかからないと思います。
そもそも子供の面倒も満足に見ることができないような社会に子供を育て、子孫を残す資格はありません。
そんな社会はさっさと絶滅してしまえばいいのです。
子どもだってそんな社会に生まれてきたくなんかないでしょう。