脱ゆとり教育で大幅に削除された応用問題
2003年にPISA(国際学習到達度)が急落したのをきっかけにカリキュラムの大幅変更を行ったとされる日本。しかし実のところ今までPISAでは不要だった応用問題は教科書から削除され、PISAの出題レベルを基準とした基礎レベルを徹底して繰り返しやるだけの言わば「量産型人間」を育成しているだけです。
まず円周率を3.14ではなく3で計算していたという、一体誰が思いついたのかわかりませんがそのような事実は無いことを言っておきます。自身が成績不良だった人間がさぞゆとり世代は自分より馬鹿であるに違い無いという期待から生まれた誤解です。
実際は日本以外の国ではどんどん教育に力を入れてカリキュラムを変更してきているのに、日本だけ何もせず半世紀ほど放置していたので他国に一気に抜かれたに過ぎません。
新学習指導要項では応用問題を減らす代わりに単元数を増やし、基礎だけ理解できるようにしたのです。
少なくとも現在の小中学校のカリキュラムは全員が理解できるレベルの問題しか出題されていません。この子ども達にゆとり教育時の問題集を解かせると応用問題の3割方解けません。また、6年生では中学で習う関数、文字式を簡易化したものを中学準備として習うようになりました。中学に入れば2度同じ単元を習うことになります。頭の良い子にはただの時間の無駄です。
PISAの成績上位国は軒並みアジアが占めていますが、では国際的な学会で有力な学者をこれらの国が多く輩出しているかというとそうではないですね。好成績も結構ですが、点取り競争に目がくらんでいては大切なものを失います。
日本の義務教育は暗記して公式覚えて全員同じ答え出すだけ、自分で情報を集め自分のやり方を見つけ自分で何をやるかを考える独創性はほぼ要求されません。その程度のレベルなら人工知能で代替できるどころか人工知能の方が優れているといっても過言ではないでしょう。計算機や記憶装置としての役割ならコンピュータの方が遥に高いのです。ここまで時代の変化を何も考慮していない国は後進国の中でも珍しいです。